ホームインスペクション(既存住宅インスペクション)とは?

ホームインスペクションとは

ホームインスペクション(既存住宅インスペクション 英:Home Inspection)という言葉を耳にしたことがありますでしょうか?

今、国交省が発端となり普及につとめているのがこの「ホームインスペクション」です。実に聞きなれない言葉ですが、簡単に言ってしまうと「専門家による住宅の検査」のことで、国土交通省が中古住宅の流通促進のための対策の一つとしてホームインスペクションの導入・普及に力を入れているものです。

ホームインスペクションの先進国

ホームインスペクションの先進国はやはりアメリカ。アメリカでは、住宅の売買の際の保証のような形で「ホームインスペクション」が一般的に行われています。

アメリカは訴訟大国ですので、住宅の売買を行う際には専門家が調査して保証つけた上で売買することが売主とっても買主にとっても安全であるとされているとのことで、広く普及しています。

では、これからマンションや一戸建てを売ろうとしている人にとってはなんとも気になる「ホームインスペクション」。 ホームインスペクションとは具体的にどのようなものでしょうか?

ホームインスペクションではどんな検査をするの?

ホームインスペクションでは、住宅の検査を専門とした『住宅診断士』が住宅の見えない部分などを検査します。ホームインスペクションでの検査項目は、「既存住宅ホームインスペクションガイド」によって定められていて、きちんとした検査業者であればこの「既存住宅ホームインスペクションガイド」に準拠した検査項目にそって、住宅の細かい部分まで検査を行います。

以下にホームインスペクションの検査の一部をご紹介します。

基礎

住宅の重要な構造に「基礎」がありますが、柱や基礎の状態がどのようになっているのかについては、目で見てわかるものではありません。ホームインスペクションでは、基礎のひび、劣化、欠損、ときには専用の機械を使って基礎内部についても検査する場合があります。

床の傾斜は、欠陥住宅の定番中の定番です。床の傾きというと「一戸建て」をイメージされる方が多いと思いますが、分譲マンションの床も傾斜している場合もあり、注意が必要です。ホームインスペクションでは、デジタル水平器などを使用し、床の傾斜についても綿密な検査を行います。

外壁

外壁のひび割れ、欠損、剥がれ、サッシの周辺の隙間、窓の開閉などについても細かく検査が行われます。ホームインスペクションでは、当然ながらマンションにも対応しておりマンションの外壁・内壁などの劣化状況についても検査の対象となります。

内壁、天井の雨漏り跡

実は、住宅でもっとも怖いのが、「内壁」と「天井」。屋根の劣化や欠損によって雨水が室内まで流れ込み、内壁や天井に雨漏りを引き起こします。

一度、住宅が雨漏りを起こしますと、住宅はあっという間に劣化していき、その価値を極端に落としてしまうものですので、ホームインスペクションでは住宅の内壁、そして天井の雨漏りの跡を入念に検査していきます。

その他にもシーリング材の状況や屋根の目視確認など住宅のあらゆる部分を検査してゆくのがホームインスペクションなのです。

ホームインスペクションの本当の目的

ホームインスペクションは『住宅の検査』であると前述しましたが、平成28年の宅建業法改正などで広まりつつある『ホームインスペクション』の本来の目的とは一体何なのでしょうか?

ただ、お金を払って『住宅の検査』だけではまったく意味がありません。

ただただ住宅の検査したところで、修理してくれる訳でも、補償がつくわけでもありません。また、ホームインスペクションの検査にやってきた住宅診断士の技量や知識が足りなかったり、適当な人だった場合、ホームインスペクションの検査の目的すら達成されないことになってしまいます。

さらに、詐欺まがいの業者がホームインスペクションを語り、偽ホームインスペクションを行った後、高額な住宅な修理費用を請求する詐欺業者が今後出てこないとも限りません。

では、ホームインスペクションの本当の目的とは一体どのようなものなのでしょうか?

瑕疵に対しるリスクヘッジ

ホームインスペクションの本当の目的は、ホームインスペクション実施によって加入することができる『既存住宅瑕疵(かし)保険』に入り、住宅の売却を行った後のトラブル、具体的に言うと、住宅の売買時には知り得ることができなかった瑕疵責任部分を『既存住宅瑕疵(かし)保険』への加入によってカバーできることにあります。

ひとつ例をあげてみます。

親が亡くなり木造二階建ての一戸建てを昨年の9月に相続しました。しかし、既にご自身の自宅を既に購入しており、相続した住宅は誰も住むことのなく空家となってしまいました。

そこで、相続した住宅を売却することを決め、仲介業者に売却の媒介を依頼し、今年の3月に無事売却することができました。もちろん、売却の際には、売主として知っている情報を仲介業者と買主に報告したつもりでした。

しかし、住宅の売却後、3か月を経過したときに、買主から「住宅の天井から雨漏りが発生し、住むことができなくなった。」とクレームが入り、多額の賠償請求を求められました。

その後、双方で解決の糸口を探しましたが、お互いの主張が折り合わず係争は裁判所に持ち込まれ、今も裁判が続いている。

こういったケースは、稀なケースのように聞こえますが、住宅の売買をめぐるトラブルは、全国で頻繁に発生しています。

既存住宅瑕疵(かし)保険

既存住宅瑕疵保険(きそんじゅうたくかしほけん)は、売買による引き渡し後の住宅について、保証対象部分の隠れた瑕疵によって生じた損害を補償する保険です。

この保険は、ホームインスペクションの検査を行う検査会社が提供しており、雨水の侵入部分であったり、給排水管路部分など保証の対象となっている部分について、万が一、損害が発生した場合に検査会社が売主に代わり保証してくれるのです。

まとめ

ホームインスペクションについて、なんとなく理解は得られましたでしょうか?

住宅の基本は定期的なメンテナンス。

もし、住宅の売却の予定を考える時が来たら、ホームインスペクションの実施既存住宅瑕疵保険などへの加入について検討してみることをおススメしています。